ついに創設!「デジタル遺言」の凄さと、落とし穴を行政書士が解説

遺言

こんにちは、行政書士わたなべ事務所の渡辺晋太郎です。

先日、成年後見制度の見直しや遺言のデジタル化を含む民法改正案が国会で可決・成立したニュースをお届けしました。

その中でも今回お話するのは、新しくスタートする「デジタル遺言(正式名称:保管証書遺言)」についてです。
これまでは「全文手書き」か「公証役場での作成」しか選択肢がなかった遺言書ですが、デジタル化によって私たちの終活はどのように変わるのでしょうか?

今回は、その画期的な中身と、実務家視点で見た注意点を分かりやすく解説します。

デジタル遺言のここが凄い!

新しいデジタル遺言制度は、これまでの遺言の常識を覆す以下の3つの特徴を持っています。

全文パソコン・スマホ作成OK&「押印」は廃止へ

これまでの自筆証書遺言は、財産目録を除く本文をすべて「自筆(手書き)」で書く必要があり、これが大きな負担となっていました。新制度では、パソコンでのタイピング作成はもちろん、スマホでの音声入力なども認められる方針です。さらに、これまでの遺言で必須だった「押印(ハンコ)」の要件が廃止され、署名のみでOKになる見通しです。

緊急時には音声や動画での遺言も可能に

生命の危機が迫っているような緊急性の高いシーンを想定し、スマホなどの録音・録画機能を使った遺言も認められる方向で議論が進んでいます。「文字を書くのが難しい」という状況でも、自分の言葉で最後の意思をのこせるようになります。

法務局でのオンライン管理で「紛失・改ざん」ゼロへ

作成したデジタル遺言データは、法務局の専用システムへオンラインで提出し、安全に保管されます。これにより、「せっかく書いたのに家族に見つけてもらえない」「誰かに中身を書き換えられてしまう」といったリスクが完全にシャットアウトされます。もちろん、従来の自筆遺言に必要だった家庭裁判所での「検認」手続きも不要です。

ちなみに「公正証書遺言」はすでにデジタル化

「遺言のデジタル化」というと、「公証役場の手続きはどうなるの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

実は、最も安全性が高いと言われる「公正証書遺言」のデジタル化(電子公正証書)は、すでに2025年10月からスタートしています。

これにより、公証人とWeb面談を行い、マイナンバーカードによる電子署名をすることで、わざわざ公証役場に足を運ばなくても公正証書遺言が作成できるようになりました。

  • 2025年10月〜
    公証人が間に入る「公正証書遺言」がデジタル化
  • 2028年度中(予定)〜
    公証人を挟まず自分で作れる「自筆の遺言」がデジタル化(=今回のデジタル遺言)

このように、時代は確実に「書面からデジタル」へと動いています。

「実務上のハードル」と注意点

一見すると、手軽で素晴らしい制度に見えますが、法律の現場に立つ専門家としては、いくつかの大きなハードルや懸念も予測しています。

「なりすまし」や「強要」をどう防ぐか?

手軽にデータを作れる反面、「認知症の親のスマホを使い、子どもが勝手に遺言データを作って送信した」「誰かに脅されて無理やり作成させられた」といった悪用リスクがついて回ります。そのため、送信時の本人確認にはマイナンバーカード等を用いた非常に厳格な電子署名・多要素認証が必須になると見られており、シニア世代にとってシステム操作自体のハードルが高くなる可能性があります。

形式は有効でも、内容に不備があれば結局モメる

パソコンで誰でもサクッと作れるからこそ、法律のルールを知らずに「長男に全財産を譲る」とだけ書いてしまい、他の兄弟の「遺留分(最低限もらえる権利)」を侵害して相続トラブルに発展するケースや、文言が曖昧で解釈を巡って争いになるケースが多発すると予想されます。

まとめ:デジタルになっても変わらない「大切なこと」

パソコンでサクッと作れる時代が来ますが、『有効な遺言書が簡単に作れること』と『家族が揉めない内容になっていること』は別問題です。

形式がデジタルになっても、誰に何を遺すかという『中身の設計』には、引き続き私たち行政書士のような専門家の知恵が必要です!

いくら作成の手続きが便利になっても、そこに込められた「想い」が家族を傷つけたり、争いの種になってしまっては意味がありません。デジタルという新しい道具を賢く使いこなしつつ、本当に家族が幸せになる遺言書をのこすために、ぜひ当事務所のコンサルティングをご活用ください。

「うちの場合は、新制度を待つべき? 今すぐ動くべき?」など、些細な疑問でも構いません。 初回相談は無料ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。

詳しくは行政書士わたなべ事務所まで

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