相続財産調査ガイド② 生命保険と証券口座の調べ方を行政書士が解説

相続

こんにちは 松戸市の行政書士わたなべ事務所の渡辺晋太郎です。

「銀行口座の調査は終わったから、これで安心」と思っていませんか?
実は、相続手続きで後から見つかって厄介なのが、「生命保険」と「証券口座」です。

これらは預金と違い、通帳のような分かりやすい形がないことが多いため、遺族が気づかないまま放置されてしまうケースが後を絶ちません。今回は、「一括照会システム」を活用して、ご自身でこれらの財産を特定する方法を解説します。

生命保険の調べ方:一件ずつ電話するのはもう古い!

かつては、家にある保険証券やカレンダーを頼りに、保険会社一社ずつに電話をして確認するのが一般的でした。しかし、今は「生命保険契約照会制度」という非常に便利な仕組みがあります。

① 生命保険契約照会制度とは?

一般社団法人生命保険協会が提供しているサービスです。これを利用すると、日本国内にある全ての生命保険会社(40社以上)に対して、故人が契約を持っていたかどうかを一括で照会できます。

  • わかること: 契約がある保険会社名。
  • メリット: 保険証券を紛失していても、どこの会社と契約しているかが判明します。
  • 利用料: 1件あたり3,000円(税込)です。

② 手続きの流れ

  1. オンラインまたは郵送で申請: 生命保険協会の公式サイトから申し込みます。
  2. 必要書類: 故人の除籍謄本、申請者が相続人であることを証明する戸籍、身分証明書などをアップロードします。
  3. 回答の受領: 約2週間ほどで、契約の有無が記載された回答票が届きます。

③ 回答が届いたら

回答票には「A生命に契約あり」といった情報のみが記載されています。「死亡保険金がいくらか」「受取人は誰か」については、その保険会社へ直接連絡し、個別に詳細を確認(または請求)する流れになります。

証券口座(株・投資信託)の調べ方:ネット証券も怖くない!

最近は新NISAの影響もあり、ネット証券で株や投資信託を保有している方が急増しています。これらは郵便物が届かない設定(電子交付)になっていることが多く、最も見つけにくい財産です。

そこで使うのが、「ほふり(証券保管振替機構)」への照会です。

① 「ほふり」の開示請求とは?

日本国内の上場株式や投資信託の多くは、この「ほふり」という機関でデータ管理されています。ここに「登録済加入者情報の開示請求」を行うことで、故人がどこの証券会社に口座を持っていたかを一括で調べることができます。

  • わかること: 口座を開設している証券会社名。
  • 注意点: 銘柄名や株数、評価額まではわかりません。また、金地金やFX、仮想通貨などは対象外です。

② 手続きのコツ

「ほふり」への申請には、法的な証明書類(戸籍など)が必要です。銀行口座の調査で集めた戸籍のセットがそのまま使えますので、並行して進めるのが効率的です。

昔ながらの「アナログ調査」も忘れずに

新制度は強力ですが、100%ではありません。以下のチェックも必ず行いましょう。

郵便物とカレンダー

  • 「配当金計算書」や「議決権行使書」: これらが届いていれば、100%株を保有しています。
  • 保険会社名入りのタオルやカレンダー: 昔からの契約があるヒントになります。

銀行口座の履歴(記帳)

銀行口座の全店照会で取得した取引明細をチェックしてください。

  • 「生命保険料」の引き落とし
  • 「〇〇証券」への振込
  • 配当金の入金履歴 これらがあれば、確実にその会社に財産が存在します。

プロに頼まず「自分で」完結させるためのマインド

「保険や証券は複雑だから行政書士に……」と考えがちですが、「照会制度」の窓口は一つです。

  1. 生命保険協会(保険)
  2. ほふり(証券)
  3. 全銀協・マイナポータル(銀行)

この3箇所に申請を出すだけで、日本の主要な金融資産の「地図」は手に入ります。書類さえ揃えてしまえば、あとは事務的な作業です。浮いた報酬分で、より充実した相続手続きを行えるよう、まずはご自身でチャレンジしてみる価値は十分にあります。

まとめ

今回ご紹介した調査方法は非常に強力ですが、それでも「全ての財産」を完璧に捕捉するのは骨が折れる作業です。

もしこの記事を読んでいるあなたが、「残される家族にこんな苦労をさせたくない」と感じたのであれば、ぜひ今日からエンディングノートを書き始めてください。

  • 「〇〇生命に加入している」
  • 「新NISAを〇〇証券でやっている」

この一行があるだけで、家族が何週間もかけて行う調査が一瞬で終わります。遺言書を書くのはハードルが高いという方も、まずは財産の「目録」をメモすることから始めてみませんか?

松戸市の当事務所では、こうした「自力での相続調査」を応援するアドバイスや、未来の家族を守るための遺言書作成のサポートを行っております。
初回相談は無料です。お気軽にご連絡ください。
詳しくは行政書士わたなべ事務所まで

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