相続財産調査ガイド① 銀行口座の調べ方を行政書士が解説

相続

こんにちは 行政書士わたなべ事務所の渡辺晋太郎です。

「父が亡くなったけれど、どこの銀行にいくら預けていたのか正確にわからない……」
相続が発生した際、多くの方が最初に直面するのがこの問題です。

最近はネット専用銀行の普及や、紙の通帳を発行しない「通帳レス口座」が増えており、遺品整理だけで全ての財産を把握するのは非常に困難になっています。もし口座を見落としたまま遺産分割をしてしまうと、後からやり直しが必要になり、相続人全員に大きな負担がかかります。

今回は、「2025年度から始まった制度を含めた口座の探し方」と「未来への備え」について詳しく解説します。

まずは身近な証拠を集める

最新のシステムを使う前に、まずは基本の「アナログ調査」を徹底しましょう。ここで一つでも手がかりが見つかれば、その後の手続きがぐっと楽になります。

① 家の中の「物理的証拠」を捜索

  • 通帳・キャッシュカード・届出印
    整理ダンス、金庫、仏壇周辺、普段使いのバッグの中などを確認します。
  • 郵便物
    銀行からのダイレクトメール、カレンダー、残高通知書、信託銀行からの配当金通知などは重要なヒントです。
  • 確定申告書の控え
    利子所得の記載や還付金の受取口座から、銀行名と支店名が判明することがあります。

② スマホやPCの中の「デジタル遺産」

  • 銀行アプリ
    故人のスマホのホーム画面に銀行アプリがないかチェックします。
  • メールの履歴
    メーラーで「振込」「ログイン」「判定」などのキーワードで検索をかけてみましょう。ネット銀行の場合、これが唯一の手がかりになることも多いです。

銀行が見つかったら「全店照会」をかける

一つでも銀行名が判明したら、次に行うべきは「全店照会」です。

全店照会とは?

例えば「A銀行の松戸支店に口座があることはわかった。でも、父は以前別の場所に住んでいたから、他の支店にも口座があるかもしれない」という場合に有効です。

その銀行の窓口(または郵送)で「亡くなった方の全店照会をお願いします」と依頼すると、その銀行の全支店を対象に名寄せ調査を行ってくれます。

  • 判明するも
    普通預金だけでなく、定期預金、投資信託、外貨預金、住宅ローンなどの借入金まで、その銀行との「全ての取引」が網羅された残高証明書が発行されます。
  • ポイント
    複数の支店を回る必要はありません。一つの窓口で一括して調べてもらえます。

相続時口座照会制度

「家の中を探しても全く手がかりがない」「ネット銀行を使っていた気がするけれど名前が思い出せない」という方のために、2025年4月から画期的な新制度がスタートしました。

マイナンバーを活用した「一括照会」

これが、マイナンバーを活用した「相続時口座照会制度」です。

故人が生前に自分の銀行口座とマイナンバーを紐づけていた場合、相続人がオンライン(マイナポータル等)から一括して「どこの銀行に口座を持っているか」を照会できる仕組みです。

  • メリット
    全国展開している銀行やネット銀行など、幅広い金融機関を一気にサーチできます。
  • 手数料
    1回あたり5,060円(税込)程度で利用可能です。
  • 活用法
    「心当たりのない銀行」を見つけるための強力なツールになります。

紐づけていない口座は「出ない」

非常に便利な新制度ですが、万能ではありません。注意点も理解しておきましょう。
この制度で判明するのは、あくまで「マイナンバーと紐づけ済みの口座」だけです。
故人がマイナンバーの届け出をしていなかった古い口座やそもそもマイナンバー制度が始まる前から放置されている口座はリストに載りません。そのため、新制度の結果が「ゼロ」であっても、他の銀行に口座がないとは言い切れないのです。

残高は自分で確認

この制度でわかるのは「銀行名と支店名」までです。具体的な残高を知るためには、判明した銀行へ個別に連絡し、前述の「全店照会(残高証明書請求)」を行う必要があります。

未来の家族のために:エンディングノートや遺言書を

今回の解説で、「亡くなった後の口座調査がいかに大変か」がお分かりいただけたかと思います。残された家族に同じ苦労をさせないために、今からできることがあります。

エンディングノートの活用

「どの銀行に口座があるか」をメモしておくだけで、家族の負担は9割減ります。暗証番号を書くのは防犯上おすすめしませんが、「銀行名と支店名」のリストがあるだけで十分です。

遺言書や家族信託

さらに確実なのが「遺言書」の作成です。「どの口座を誰に相続させるか」を明記しておくことで、調査の手間を省くだけでなく、親族間のトラブルも防げます。最近では、認知症対策を兼ねた「家族信託」で管理を任せる方法も注目されています。

まとめ

相続時の口座調査は、アナログな捜索、全店照会、そして最新のマイナンバー照会制度を組み合わせることで、より確実に完結させることができます。

もし、「自分一人で戸籍を集めて銀行を回るのは大変そう……」と感じたら、その時はぜひ専門家を頼ってください。松戸市の当事務所では、複雑な財産調査のサポートはもちろん、次世代へ負担を残さないための遺言書作成のご相談も承っております。

大切なご家族の財産を、漏れなく、そして円満に引き継ぐためのお手伝いをいたします。
初回相談は無料です。お気軽にご連絡ください。
詳しくは行政書士わたなべ事務所まで

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