こんにちは 行政書士わたなべ事務所の渡辺晋太郎です。
「自分の財産は、法律で定められた相続人だけでなく、特に可愛がっている孫や、長年献身的にお世話をしてくれた親族に遺したい」
「社会貢献の一環として、お世話になった慈善団体に寄付をしたい」
このようなご要望は、私たち行政書士のもとにも多く寄せられます。しかし、日本の民法が定める「法定相続」の仕組みだけでは、これらの「特定の誰か」への想いを実現することはできません。
愛する人や社会への想いを確実に実現するためには、「遺贈(いぞう)」という法的な手段を用いて、遺言書を作成することが必須となります。
今回は、法定相続人以外の人(孫や親族、団体など)に財産を遺すための「遺贈」の仕組みと、注意点について解説します。
「遺贈」とは何か? 「相続」との決定的な違い
財産を他者に承継させる方法として「相続」と「遺贈」があります。
| 相続 | 遺贈 | |
| 対象者 | 民法で定められた法定相続人 (配偶者、子、親、きょうだいなど) | 法定相続人以外の誰でも (孫、内縁の夫/妻、友人、団体など) |
| 法的行為 | 遺言書がある場合は「相続させる」と記述。ない場合は遺産分割協議が必要。 | 必ず遺言書が必要「遺贈する」と記述。 |
つまり、法定相続人ではない孫や団体に財産を渡す唯一の手段が「遺贈」であり、そのためには必ず有効な遺言書を作成する必要があります。
「孫」への遺贈
孫は、原則として法定相続人ではありません。しかし、子が先に亡くなっている場合、孫がその子に代わって相続する「代襲相続」は発生します。
孫への遺贈のメリット
- 子の生存中に財産を渡せる
子がまだ存命であっても、遺言書で「孫〇〇に金100万円を遺贈する」と指定すれば、孫に直接財産を渡すことができます。 - 二次相続対策になる
子に全財産を相続させると、子が亡くなった際(二次相続)に再び相続税がかかります。孫に直接遺贈することで、子を飛び越えて財産を承継させることができ、全体的な相続税の負担を軽減できる場合があります(相続税の2割加算には注意が必要)。 - 特定の想いを実現
教育資金の援助や、特定の事業資金として孫を指名し、その想いを実現できます。
遺贈の形式:「包括遺贈」と「特定遺贈」
遺贈には2つの形式があり、それぞれ手続き上の注意点が異なります。
- 特定遺贈
「特定の財産」を指定して遺贈する方法(例:自宅の土地建物を孫〇〇に遺贈する)。
→ 手続きが比較的容易。 - 包括遺贈
「財産の割合」を指定して遺贈する方法(例:財産の3分の1を慈善団体〇〇に遺贈する)。
→ 遺贈を受けた者(受遺者)は相続人と同様の権利義務を持ち、遺産分割協議に参加する必要が出てくる場合がある。
「特定の親族・団体」への遺贈
長年お世話になった親族、または社会貢献のために特定の団体や法人に財産を遺したい場合も「遺贈」を用います。
公益法人・団体への遺贈(寄付)
特定の公益法人やNPO、学校法人などに対し、遺言書で財産を遺贈できます。
- 税制上の優遇
遺贈された公益法人等には相続税が非課税になる優遇措置があるため、遺産の多くを社会貢献に充てたい方にとって有効な方法です。 - 注意点
団体によっては遺贈手続きに慣れていない場合があるため、事前に遺贈を受け入れるか、手続きに必要な書類は何かを確認しておくことが重要です。
内縁の妻・夫、お世話になった親族への遺贈
法律婚をしていない内縁のパートナーや、法定相続人ではない甥・姪などの親族に財産を遺す場合も遺贈が必要です。
- 遺留分への配慮
遺贈は、法定相続人の遺留分(いりゅうぶん)を侵害する可能性があります。遺留分とは、兄弟姉妹を除く法定相続人に保証された最低限の取り分です。遺留分を侵害する遺贈を行った場合、後に遺留分侵害額請求が発生し、遺族間のトラブルの原因となり得るため、遺言書を作成する際は遺留分に配慮した設計が不可欠です。
遺贈を実現するための行政書士の役割
遺贈による財産承継を確実に行うためには、法的な要件を満たした遺言書を作成し、その執行体制を整えることが最も重要です。
遺言執行者の指定
遺贈は、単に「遺贈する」と書くだけでは終わりません。財産の名義変更や引き渡しといった実行行為が必要です。
遺言書の中で「遺言執行者」を必ず指定し、その執行者に行政書士などの専門家を選任することで、孫や団体への煩雑な手続きを代行させ、遺言者の想いをスムーズかつ確実に実現することができます。
行政書士は、遺言書の原案作成から、遺言執行者としての就任、金融機関や法務局との手続きまでを一貫してサポートし、遺贈が原因で起きる相続人とのトラブルを未然に防ぎます。
まとめ
孫や特定の親族、団体への遺贈は、単なる財産の承継ではなく、感謝の気持ちや社会への貢献意識という「想い」を法的な効力を持たせて実現する手段です。
この大切な想いを確実に実現するため、ぜひ一度、相続手続きと遺言書作成の専門家である行政書士にご相談ください。あなたの「最後の意思」を、安心できる「確かな形」に変えるお手伝いをさせていただきます。
初回相談は無料です。お気軽にご連絡ください。
詳しくは行政書士わたなべ事務所まで


